宇宙事業会社スペースワンの小型ロケット…
宇宙事業会社スペースワンの小型ロケット「カイロス」1号機は、和歌山県串本町での打ち上げ直後に爆発した。強い光と白煙に包まれて機体が散る様子は、犠牲者も出た過去の宇宙機事故を思い起こさせ胸が詰まった。
民間事業として今後への懸念の声が上がる。原因究明もまだだが、事後の関係者の前向きな会見は希望を抱かせた。
国家と民間の違いはある。でもアポロ世代は、人類が月に立つまでに失敗が何度もあり、尊い命も失われたのを知っている。
今回は日本人の宇宙開発への関心の高さ、熱さを再認識した。打ち上げの見学者はもとより、弊社近くの飲食店の中年客がこの話題で盛り上がるほどで、国内の宇宙ビジネスの拡大を予感させた。
県は新年度予算案に起業促進・支援の新事業を盛り込む。基本は奈良の現状、特色に沿ったものとするが、宇宙など未来の奈良を描く新分野にも挑んでほしい。
開幕まで400日を切った大阪・関西万博で、米国館では宇宙関連要素も検討中と聞く。隣県の動きをうらやむ宇宙好きとしては、関西広域連合の出展内容も気になる。(智)