いかるがホールを主会場とする「あおによ…
いかるがホールを主会場とする「あおによし音楽コンクール」が、昨年10回の節目を迎えた。若手を対象とするプロステージと一般ステージがあり、その名の通り奈良発信の音楽コンクールとして広く知られるようになった。
昨年の一般ステージでグランプリに輝いた倉内慶子さんは58歳。大阪音大短期大学部のピアノ科卒だが、結婚後は30年近くピアノから離れていたという。
大阪府寝屋川市の音楽コンクール創設に携わり、再びピアノと向き合ったのは10年ほど前。感覚を取り戻そうと練習に打ち込み、先生の勧めでコンクールにも挑戦を続けてきた。
今回のコンクールで選んだのはピアノ組曲「斑鳩」。斑鳩町の寺も巡り、表現の豊かさが高く評価された。
「やればやるほど、悩めば悩むほどいいものができる」と倉内さん。楽譜が見づらいなど「老化との戦い」と苦笑いの中、「ピアノを再開して人生が豊かになった。これからも挑戦を続けていく」と前向きだ。
3月には受賞者の披露演奏会が大阪で開かれる。倉内さんが愛する斑鳩の風景は、今度はどんな表情で輝くだろう。 (増)