いささか旧聞に属するが、5日に公表されたのがSF作家・豊田有恒さん(85歳)の訃報。古代史や、ヤマトタケルなどを扱った歴史小説でも数多くの作品を残した。

　調べたら、子どものころに見ていたテレビアニメの脚本を書いておられた。1965(昭和40)年〜66年ごろのモノクロのSFアニメ「スーパージェッター」「宇宙少年ソラン」「遊星少年パピイ」…。他にも「エイトマン」「鉄腕アトム」と名作ばかり。

　「スーパージェッター」は、1千年の未来の国からやってきた少年が、流星号という乗り物でやって来て活躍する物語。筒井康隆、眉村卓、辻真先、半村良といった、SF小説界のレジェンドたちがシナリオを書いていたという事実にはとても驚いた。

　豊田さんらが、子どもたちに夢を与えたいとの願いを込めて交代で書いていたのだろう。

　主題歌の歌詞には「エネルギー全力噴射」「自動操縦スタンバイ」といった主人公の掛け声も見られる。今でも使われる用語が並ぶところは、さすがだ。

　宇宙空間でも、キナ臭い大国の競争が激化。ルール作りを急いでほしい。(恵)