昨夏の悪夢を思い出させる事件がまた起き…
昨夏の悪夢を思い出させる事件がまた起きた。岸田文雄首相が、衆院和歌山1区補欠選挙の自民党候補の応援演説を始めようとした時だ。
若い男が筒状のものを投げ込み、爆発した。男はその場で取り押さえられ、威力業務妨害容疑で逮捕された。幸い、岸田首相にはけがもなく無事だった。
予定された他の会場での遊説もこなした。参院選の応援演説で奈良市を訪れた安倍晋三元首相が、銃弾に倒れた事件を思い起こす。しかも発生時間もほぼ同じだ。
選挙は民主主義の根幹をなすものだ。選挙演説という言論を、暴力で封じようとする暴挙は、断じて許すことはできない。各党の党首らも憤りの談話を寄せている。
警備の点で、昨年の教訓が生かせたか、検証してほしい。国政選だけでなく地方選でも妨害は許されない。統一選後半戦となる市長、市議選がいよいよきょう告示される。
前半戦の知事、県議選での維新旋風が、後半でも起きるのか。苦杯をなめた自民党など既成政党は、挽回できるのか。地元密着の選挙だけに、どんな政治家なのか人物が評価されよう。(治)