江戸市中を荒らす盗人には幕府も苦労した…
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江戸市中を荒らす盗人には幕府も苦労したようで、窃盗も3度犯せば死罪となった。1度目は敲(たたき)、2度目も入れ墨だが、3度目には命で償うことになる。
初犯の敲は湯屋で衣類を盗んだなど、軽い盗みに課せられたといい、盗品と知りながら預かった場合も同様。入れ墨から一足飛びに死罪というのはいかにも酷に思われる。
日本法制史の大家だった文化功労者、石井良助さん(故人)は著書「江戸の刑罰」で「幕府がいかに窃盗に手を焼いていたか、またその根絶に苦心していたかを示すもの」とした。
ちなみに初犯でも10両以上盗めば死罪。複数回の盗みで合計が10両になっても死罪となった。換算の仕方によるが、現在の金額なら50〜100万円ほどだろうか。
国内各地で相次いだ広域窃盗事件は、犯行を指示した疑いのある4人のうち、2人がフィリピンから強制送還、逮捕された。一連の犯行による被害額は60億円を超える。
「闇バイト」という言葉が改めてクローズアップされている。ネット社会に潜む現代の闇。この機にしっかり光を当てる必要があるだろう。(増)