山を歩いていて、ここでクマに会ったらど…
関連ワード:
山を歩いていて、ここでクマに会ったらどうしようと考えることがある。県内のツキノワグマは絶滅寸前種とされ、姿を見たことはないが、昨年はクマに襲われた登山者が転落死する痛ましい事故もあった。
背中を見せずにゆっくり離れるのが基本とされるが、もし向かってきたら―。主に東北地方で活動してきた狩人「マタギ」の話をまとめた工藤隆雄さんの著書に、「どうやって逃げたらよいか」を記した一項がある。
クマは目があまり良くないため最初に動いたものを襲う、下りに弱い―など、習性を逆手に取ったもので、帽子やザックを投げ、それにかみついている間に遠ざかる。斜面があればそれを下る。
上に逃げれば登りに強いクマに追いつかれるといい、もし上に逃げる場合は直登を避け、斜めに登る方がよいという。
マタギにとってクマは狩りの対象だが、習性を熟知したマタギならでは知恵として紹介されていた。
敵を知り己を知ればといったところだが、鉢合わせしないのが一番。冬眠しないクマもおり、鈴などで存在を知らせながら歩く基本を大切にしたい。 (増)