「ヒポクラテスたち」「風の歌を聴け」「ゴ…
「ヒポクラテスたち」「風の歌を聴け」「ゴジラVSビオランテ」などで知られる映画監督の大森一樹さんが亡くなった。青春物から特撮、文芸まで幅広く手掛けた人だった。
自主映画で評価され、映画シナリオの登竜門とされる「城戸賞」を受賞した脚本を自ら監督し、1978(昭和53)年に「オレンジロード急行」でデビュー。当時は現役の医大生(京都府立医科大)で、戦後最年少25歳ということでも注目された。
同作は「東京―京都―奈良―和歌山」と結ぶロードムービー。「なら旅ネット〈奈良県観光公式サイト〉」の「奈良にゆかりの映画情報」を見ると、猿沢池がロケ地になっていた。
筆者が入社した80年代に、ロケを取材した、当時の写真記者からモノクロ写真をもらった。主演の嵐寛寿郎さん(時代劇の大スター、通称アラカン)と岡田嘉子さん(ソ連への「恋の逃避行」で有名なスター)が映っていた。
二人が新聞を仲良く読んでいる場面だったが、それが奈良新聞だと教えてもらって、一人興奮したことを思い出した。
再映があればぜひ見てみたい作品だ。合掌。(恵)