列島フィーバーともいえるような、皆既月食…
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列島フィーバーともいえるような、皆既月食を堪能した人も多かったろう。秋の夜空に赤銅色の満月が、幻想的な輝きをみせてくれた。
しかも442年ぶりに天王星が重なる惑星食もあり、話題を呼んだ。前回は戦国時代の終わり1580(天正8)年だから、織田信長も観測していたかも。
その時は土星食だったといい、どんな見え方をしたのか興味深い。月食などには不吉な思いを抱いていた人々もいたが、神仏を恐れぬ信長のことだから一笑に付したか。
まさかそのわずか2年後に、本能寺の変で明智光秀によって命を落とすことになるとは思いもしなかったろう。月食が凶兆と信じられていた時代のことだ。
科学の発達で、月食が何月何日に起きることを知っている現代人には理解できないが、それでも地震や風水害など人智を超えた災害が起きる。
自然と共に生きる。それを忘れた時に、手痛いしっぺ返しを受ける。今度の皆既月食を見上げながら、そんなことを教えられた。次の皆既月食と土星食が重なるのは322年後なので、残念ながら見ることはできない。(治)