きのうの最高気温は奈良市で34・1度。猛暑続きでまだ真夏気分が抜けないのに、書店では早くも並び始めた手帳や日記を品定めする人の姿が。

　少々せっかちにも思えるが、できることから進めていく用意周到な姿勢は悪くない。備えよ常にとはボーイスカウト活動で教わった言葉だ。

　そんな人ならばこそデジタル時代にも昔ながらの手書き。年賀はがきは2003年の約45億枚をピークに半数以下まで減少したそうだが、手帳や日記の売れ行きはどうなのだろう。

　使い勝手や外観に工夫を凝らした商品など書店に並ぶ手帳は種類が豊富で安定したニーズがあるように見える。またコロナ禍による外出自粛で日記を付ける人が増えたという話も。

　何でもスマートフォンに頼りきっていると、ひらがなやカタカナはともかく、漢字などは書き方を忘れてしまいそうになる。頭の体操だと思ってペンや紙を使う機会を意識したい。

　そもそも書店に行かないという人も増えているようだが、店頭で日記帳を選びながら季節の移ろいに思いを寄せれば秋。ついでに好きな本も一冊買って帰ろうか。(松)