本格的な受験シーズンを迎えた。受験生らにとって試験そのものとともに、新型コロナウイルスへの不安も小さくないことだろう。

　理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳」のシミュレーションでは、改めてオミクロン株の感染力の強さが分かった。感染者が不織布マスクをしていても侮れない。

　県内でも受験生本人や身内に受験生がいる児童、生徒が、感染を恐れて自主的に学校を休むとの話を耳にする。是非はともかく心情は分かる。

　受験に懸けた努力、思いは他人に計れぬ部分もあるからだ。うつりやすい感染症では、こうした事態も描きつつ児童、生徒への対応を考えておく必要がある。

　今回は感染拡大が教育関係者の予想以上で、実情に即した対処が追いついていない様子もうかがえる。次の局面に向け、蓄えてきたコロナ禍での指導法を遅れず実践してほしい。

　県教育委員会は現況を踏まえ、県立学校での学校教育活動のガイドラインを改訂した。他の校種でも対コロナへの有効な方策が練られているはずだ。働く親の手助けがいる場合は企業側の配慮も欠かせない。(智)