国原譜

目指す庁舎像がよく分からなくなってきた…

 目指す庁舎像がよく分からなくなってきた。橿原市の亀田忠彦市長は11日、市役所の現地建て替えを断念し、既存の3施設に分散移転する案を市議会に示した。

 現在地での建て替えが決まったのは先代市長の頃だが、軟弱地盤への対応などで総事業費が想定より膨らむことが分かり、亀田市長は3月に断念を表明していた。

 当然ながら、既存施設の耐震補強や現庁舎の解体費用を合わせても、事業費は建て替えよりはるかに安い。ただ、そこまでして現在地に建てないこだわりがよく分からない。

 市役所は市の顔であり、災害時には住民対応の拠点となる。既存施設で間に合えばよいというものでもあるまい。超過予算は各種の見直しで想定の範囲内に収める手もあるはずだ。

 住民生活への影響が大きい市役所の移転は市議会の「特別多数議決」が必要で、今回の提案が可決される可能性は低いという。再び現在地を提案したり第二の移転案が出るようなら、迷走の非難は免れない。

 分散の先にどのような将来像があるのか、市議会はもちろん、市民に対して説得力ある説明が必要だ。(増)

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