国原譜

テレビに映し出された、大火 砕流。高温…

 テレビに映し出された、大火 砕流。高温の火山灰やガスなどが混合化して、画面の手前めがけて一気に山を駆け下りて来る映像は、何度見ても恐怖でしかない。

 自然が牙をむいた平成3(1991)年6月3日の雲仙普賢岳の大火砕流から、もうすぐ30年の節目を迎える。あの日、新聞やテレビの記者・カメラマン、タクシーを含む運転手、消防団員ら43人の犠牲者を出した。

 デジタルカメラやスマホ、ドローンといった、現在のような軽量で便利で機能性の高い機材(装備)は当時なかった。重い機材をかつぎ、取材対象に出来るだけ近い撮影ポイントを確保するのが常だった。

 そのころの新聞社は紙面のカラー化が進み、カラー写真の出来ばえを競っていた。テレビも「絵になる画像」を追い求めたことが、過度な取材合戦につながったと言われた。

 そうした反省点が、今日の自然災害などの取材において反映されているのかどうか。決して無理をせず、まずは身の安全の確保を。

 地震、台風、豪雨災害…、災害はなくなることはない。油断は禁物、教訓を生かす姿勢が大切だ。(恵)

特集記事

人気記事

  • ならリビング.com
  • GOOD INNOVATION LAB コピーライター講座
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 47CLUB
  • 特選ホームページガイド