奈良市の鴻ノ池運動公園の命名権をロート製薬が取得した。愛称はロート奈良鴻ノ池パークで、4月から5年間使用される。

　同社は創始者が県出身で、これまでにも県関連のさまざま事業に参画。昨年はBリーグのバンビシャス奈良のトップパートナーに就き、財政面でチームの窮地を救った。

　熟年世代には、同社は海外旅行への夢を広げてくれたクイズ番組のスポンサーとしても記憶される。運動公園を子供を中心とした心身の健康づくりの拠点とする構想もあるようで、今度はどんな世界を見せてくれるか楽しみだ。

　25日に東京五輪の聖火リレーがスタートした。予定では4月11、12の両日、県内を聖火のトーチを掲げたランナーが駆ける。

　新型感染症の先行きが見通せず、大会の実施形態も不透明な中、開催を心待ちにする気分が国民の間で高まらない状況が各種調査からもうかがえる。笑顔で走る聖火ランナーの姿を見ることで意識は変わるだろうか。

　スポーツは本来、人々の気持ちを高揚させ、周囲も笑顔にしてくれるものだ。もやもや感を残したまま進行するのが口惜しい。(智)