国原譜

コロナ対策で三密を避けつつ県内の美しい風…

 コロナ対策で三密を避けつつ県内の美しい風景や史跡を楽しむ「地元再発見」の小旅行に取り組もうと、先月末に五條市の賀名生梅林を訪ねた。

 市のホームページによると広さ約30ヘクタールの果樹園に2万本の梅が植わっているといい、干し柿を1袋買って、ほおばりながら小道を散策した。

 国道沿いに建つ賀名生皇居跡や歴史民俗資料館も見どころ。かつて南北朝の時代、都を追われた後醍醐天皇が立ち寄り、続く後村上天皇らが居を構えたという由緒を現代に伝える。

 また梅林ではニホンカモシカが1頭、人におびえる風もなく座り込んでこちらを見返していて驚いた。西吉野では当たり前の風景だろうか。

 あれからひと月。既に山里の梅も散ったころだが、替わって桜が各地で咲き始め、町家の軒をかすめて飛ぶツバメも帰ってきて春本番。陽気に誘われて山菜摘みに出掛けたくなる。

 万葉集の冒頭、菜を摘む子に歌い掛けたのは雄略天皇だったか。いまだ感染症は収まらないが、県内なら安全で歴史と自然にひたれる場所は多い。ウイルスと共存しつつ地域の活性化も図れる小さな旅。(松)

 

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