国原譜

もう少し早く解決に導く手はなかったのだ…

 もう少し早く解決に導く手はなかったのだろうか。体調不良を理由に2学期から休んでいる大和郡山市立郡山南小学校の学級担任4人が報道陣の取材に思いを語った。

 4人は学年主任らによるいじめやパワハラがあったと主張、うち1人はストレスから心臓の病を発症し、業務上の配慮を求めたが聞き入れられなかったという。

 新田次郎が高等小学校の山岳遭難を題材にした小説「聖職の碑(いしぶみ)」を出したのは昭和51年。神戸市の小学校でも教員間のいじめが問題となっているが、そこに見る教員の姿は聖職どころかもはや醜い。

 学校組織は鍋ぶた式と言われる。校長や教頭が鍋のつまみ、他の教員は横並びで、会社組織のようなピラミッド式ではないからだ。

 鍋の中で人間関係が煮詰まった時、熱をさますのはつまみである管理職やそれを持ち上げる教育委員会の役目だろう。

 保護者の目は厳しく、日を置くごとに事態は悪化する。4人は市外の学校への異動を求めているが、まずは現場復帰がなければなるまい。学校で待つ児童のためにも、重いふたを開ける手がほしい。(増)

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