クラブ活動充実さらに 奈良クラブとタイの企業が資本提携
サッカーJ3の奈良クラブは24日、タイのガラスメーカー最大手のバンコク・グラスグループ(BGグループ)と資本提携を結んだ。Jリーグクラブの東南アジア企業との資本提携は初めてという。奈良での貢献を軸に置きながら、クラブの活動を充実させるために海外企業の資本参加を決断。両国間の選手レンタルなど人材交流をさらに進めると共に、専用スタジアム計画も加速させる。
両者は、昨年にパートナーシップを結び、グループサッカークラブ「BGパトゥムユナイテッド」の2選手が加入したのを機に資本提携の協議を本格化。
奈良市三条大路1丁目の県コンベンションセンターで締結式を行った浜田満社長は、「良好な関係を構築し今日を迎えられた。奈良に貢献しつつ、海外、東南アジアにも事業を展開したい」と説明。
BGグループのピヤサック・ブミチトラ取締役も「資本提携を誇りに思う。奈良クラブには可能性がある。力を合わせることですばらしいことを達成できる。選手育成や施設の充実、タイでの試合動画中継で協力し、共に成長していきたい」と語った。
BGパトゥムユナイテッドは2006年に設立。クラブハウスを整備し、選手レベルの底上げなどを図り20、21年の同国リーグで優勝する実績をあげている。
BGグループは今回、奈良クラブの発行済み株式の14・98%を約9200万円で購入した。Jリーグクラブの海外企業資本参加制限の規約は20年に廃止されたため、資本参加が実現。
中核企業のBGはガラス事業のほか、再生エネルギーや建設資材などの事業を展開する。ピヤサック氏は「タイとベトナムで太陽電池パネルを生産している。日本の市場を調査している」と明らかにした。