【奈良マラソン2024】奈良県御杖村在住アンドレアスさん夫婦が緊張の初挑戦 「完走」達成に笑顔も
8日開かれた「奈良マラソン2024」に奈良県御杖村在住の夫婦、ヴィーレッテラ・マルクス・アンドレアスさん(37)と森山有里佳さん(40)が初挑戦した。それぞれフルマラソンと世界遺産10K(10キロ)に出場。二人ともワクワク半分、緊張半分の表情でスタートを切ると、目標とした「完走」を達成して「うれしい」と声を弾ませた。
アンドレアスさんはフィンランド、森山さんは宇陀市の出身。二人はそれぞれワーキングホリデーで渡航していたオーストラリアで知り合い、2015年に結婚。20年12月、生活の場として知人から紹介があった御杖村が気に入り、宇陀に近いこともあり移住した。
アンドレアスさんは英会話教師で、23年4月には「地域の皆さんとつながりたい」と消防団にも入団した。6年ほど前から走るのを始め、23年2月の京都マラソンでフルマラソンに初参加。一方、奈良マラソンはエントリー受け付けが間に合わず、今年は早い時期から情報をチェックして念願の出場をかなえた。
森山さんは村の診療所やケアハウスで看護師として勤める。今年で40歳の節目を迎え「何かしたい」と考えていたところ、5月に村の「やまと姫マラソン2024inみつえ」に長男の明君(7)と出場。途中で休んだり、エイドステーションでグルメを食べたりしながら完走したのを機に、奈良マラソンの世界遺産10K挑戦を決意した。「あまり運動をしてこなかったが、少しずつ走ってきた」と本番に向け準備をしてきた。
ランナー受け付けがあった7日には、明君と長女の笑美ちゃん(5)から「頑張れ」「1位を取ってほしい」と応援を受けた。アンドレアスさんは「1位は無理だけど」と笑いながら、「京都の4時間20分より早いタイムで完走したい」と決意。森山さんは「完走できるように頑張る」と意気込んだ。
「あまり眠れなかった」と当日を迎えた二人だが、無事にゴールして完走を果たした。3時間36分と京都の記録を大幅に更新したアンドレアスさんは「とてもうれしい」。森山さんも「沿道の声援もあってすごく楽しめた」と充実感いっぱいに話した。
二人力合わせて最後まで駆ける「ペアリレーマラソン」
今年初めて設けられた「ペアリレーマラソン」では、2人1組で出場し、フルマラソンとほぼ同じコースを、前半と後半に分かれて計42・2キロをたすきをつないで走った。エントリーは男子201人、女子155人の計178組。第一走者はフルマラソンと同様午前9時、奈良市法蓮佐保山4丁目のロートフィールド奈良を出発。初冬の大和路を駆け抜け、中継地の天理市三島町の天理教南1駐車場で、第二走者に「頑張れ」など声をかけたすきを渡した。
ペア参加は、夫婦や親子、友だち同士とさまざま。ゴール後には、「奈良は坂が多いので出場をためらっていたが、ハーフなら走りたいと思った」「フルだと完走できなかったが、ハーフの後半だと完走できてメダルも手にできた」などと、喜びの声が聞かれた。
神戸市在住の会社員、今野太喜さん(22)は、今年から新社会人になり、父親から誘われて初マラソンに挑戦。「たすきを手渡されて『頑張れ』と声をかけられた。これからの人生へのエールもあるのかな」とほほえんだ。
広陵町の会社員、杉岡雅弘さん(50)は「奥さんが毎年フルに出ている私を応援してくれて、半分の距離ならと夫婦で参加した」と笑顔で話した。