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【写スポーツ】有望高校生、続々 - スポーツクライミング

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女子の部で6位に入り、全国大会出場権を得た高枝選手=大阪府枚方市の常翔啓光高校

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 人工の壁をカラフルなホールド(突起物)を頼りに、道具を使わず自身の体1つで登るスポーツクライミング。身体能力と技量、さらに攻略するための““読み”が必要不可欠といわれ、近年愛好家が増えている。自然の岩場を登るフリークライミングが時代とともに進化していく中、高さやスピードを純粋に競う競技として確立され、2021年に開催された「2020東京五輪」の追加種目として正式に採用され、日本勢の女子が表彰台に立ち、注目された。今年のパリ五輪でも実施された。

 

 種目は制限時間内に高さ12メートル以上の壁のどの地点まで登れるかを競う「リード」▽同じ条件で設定された高さ15メートルの壁を2人の選手が同時に登り、速さを競う「スピード」▽高さ5メートル以下の壁に設定された複数のコースを制限時間内にいくつ登れるかを競う「ボルダー」があり、五輪ではこれらを一人で行う複合でメダルを争った。

 

 ◇◇

 

 ホールドを手がかり、足がかりとして素手とクライミングシューズのみでそり立つ壁に挑戦するスポーツクライミング。高校生を対象にした大会では県内から全国大会の舞台で活躍する選手もいる。12月に埼玉県加須市で開催される「第15回全国選抜選手権大会に」に出場する男子の部、田口陽大選手(奈良大付3年)、女子の部、高枝美咲選手(同)、新家小雪選手(桜井2年)が練習に励む、大和郡山市馬司町のクライミングジム「あをがき」を訪れた。

 

 放課後、参集した3人。高枝、新家は「あおがき」が練習拠点。来たる全国大会はリード種目で実施される。最小限の力で重力に打ち勝ち、自身の高度を上げていくテクニックや無駄な動きを省き、自身の動きをいかにコントロールしていくかなどが勝敗を分ける。10数メートルの壁に設定されたコースを登るがゆえに、最初から最後まで全力で登ることは難しく持久力も問われる。上達の早道は「とにかく登ること」と言われているが、筋トレやイメージトレーニングも重要だ。3人は日々、工夫を凝らし高みを目指している。

 

 田口は昨年も全国大会で決勝に進出。「今年は入賞し表彰台に立ちたい」と話し、持久力を上げるトレーニングを地道に積み重ねた。高枝も昨年全国の舞台を経験しているが予選で敗退。悔しい思いを胸に日々汗を流し、「高校最後の今大会、決勝進出を目指す」ときっぱり。新家は初の全国大会。3人は一応に「壁を克服した時の達成感が最大の魅力」と話し、クライミングの楽しさを多くの人に知ってもらいたい、と意気込む。(写真と文、牡丹賢治)

 

高枝、新家ら全国大会へ 活躍注目

 全国高校選抜選手権大会の出場権が争われた「近畿高校スポーツクライミング大会」は10月26日、大阪・常翔啓光高校クライミングウォールで開かれ、女子の部で高枝が県最高順位の6位、新家は7位に全国切符を手中にした。男子の部で優勝した山口夢空選手(高田商2年)、さらに天尾輝也選手(王寺工2年)、岡崎龍馬選手(同1年)も全国大会に挑む。

 

 また、昨年の全国大会で男子の部で決勝に進出した田口と、佐賀県で開催された国民スポーツ大会に出場するなど活躍が顕著な抜井美緒選手(香芝3年)、藤村侃奈選手(青翔2年)が女子の部でそれぞれ推薦枠で参戦する。

 

 

 

そり立つ巨大な壁に設置されたカラフルなホールドを頼りに自身の体一つで登るスポーツクライミング。12月に埼玉県加須市で開催される全国高校選抜選手権大会では、12メートル以上の壁で、最大60手ほどのコースを登り、その高度(どの高さまで登ることができたか)を争うリード種目が実施される=写真は特記以外、大和郡山市馬司町のクライミングジム「あをがき」で写す

 

田口陽大選手(奈良大付3年)

 

高枝美咲選手(奈良大付3年)

 

新家小雪選手(桜井2年)

 

練習中、意見を出し合いそれぞれの課題を話し合う3選手

 

 

2024年11月27日付・奈良新聞に掲載

 

 

 

 

 

 

 

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