スポーツ

47歳、さらに進化へ ミスター奈良マラソン・平田治「タイムよりパフォーマンス」 - 奈良マラソン2024

関連ワード:

奈良マラソンでは「ベストパフォーマンスを」と話す平田=まほろば健康パーク

別の写真を見る

 これまで奈良マラソンに開催全13回のうち11大会に出場し、5度の優勝を含む全出場大会で入賞を手にしてきた平田治(47)。「ミスター奈良マラソン」の称号にふさわしい存在だ。44歳のときの2月には「びわ湖毎日マラソン」でフルマラソンの県記録を更新し(2時間16分45秒)、その年と翌年45歳の年齢別日本記録を保持するなど、不惑を超えても進化は止まることを知らない。「誰が奈良のチャンピオンか思い知らせてやる」―14度目となる、奈良マラソン2024(12月7・8日)でどんな走りを見せてくれるか。(有賀哲信)

 

 

練習方法見直し改善

 

 年齢別46歳の日本記録更新を狙って出場した10月27日の金沢マラソン2024。結果は、2時間27分40秒で15位に終わった。

 

 昨年は故障などに苦しんだ1年で、奈良マラソンもエントリーしていたものの不出場。けがから復帰し、今年の春ごろから調子が上がっていただけに残念な結果となった。 

 

 今年8月にあった、平田がコーチを務めるNARA―X(ナラックス)の体制発表会では、「10月に金沢で走って良い結果が報告できると思うので、取材はそれが終わってからで」と話していたが、実はその時と前後して、勤務する運送会社で出発時に点呼する有資格者が退職したため、資格を持つ平田がピンチヒッターを務めることになったのだ。勤務は早朝午前3時30分から。新しい生活リズムに合わせた調整が難航したようだ。

 

 金沢にはレース前日の土曜日に入り、夕食もそこそこに風呂も入らずにベッドに潜り込んだ。「9時間も眠れる」という思いが強かった。翌日の本番では笑顔でゴールしたものの、「あれは作り笑顔。自分の不甲斐なさに腹の中は煮えくり返っていた」と明かす。

 

 勤務して5年になる会社は、トレーニングしやすいように勤務時間を調整してくれるなど、「ランナー平田」に最大限の配慮をしてくれてきた。恩義のある会社のピンチに報いたいという思いが平田にはあったのだろう。しかし、「金沢で46歳の日本記録を更新し奈良マラソンへ」というもくろみは外れてしまった。

 

 「昔から回復が早く、少々夜更かししても平気だった。でも今回の件で『睡眠がいかに大切か』を知ることができて良かった」と逆境も前向きに捉える。

 

 最近は練習方法も変化してきた。「これまでは『練習できてないからな』を言い訳にしないよう、厳しい練習を通して自信を付けてきた。それを『ちょうど良い練習』ができるようになった」と平田。「ゆっくりと走る時のフォームがすごく良くなってきていて、快適に走れるようになった。金沢でもつい楽に走ってしまった」という。

 

 もちろんレースとなれば真剣勝負になる。本番まで約ひと月、楽なフォームで走りながらタイムを縮めていく追い込み段階に入っている。奈良マラソンでは、「ベストを目指す。と言ってもタイムじゃなくベストパフォーマンス。若い選手も力を付け、招待選手も出場する。順位はその時々。ずっと結果を判断基準にしてきたが、『練習で良い走りができた』だけで自分をほめられるようになった」。結果は後から付いてくる。

 

 

平田治・これまでの奈良マラソンの戦績

 

 

 

2024年11月20日付・奈良新聞に掲載

こちらの記事も読まれています

特集記事

人気記事

  • 奈良県の名産・特産品・ご当地グルメのお取り寄せ・通販・贈答は47CLUB
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 特選ホームページガイド