奈良の正倉院で「開封の儀」 2カ月間、宝物の手入れや調査点検
聖武天皇ゆかりの品などを伝える奈良市雑司町の正倉院で2日、年に1度宝庫の扉を開ける「開封の儀」が営まれた。11月29日の「閉封の儀」までの約2カ月間、宝物の手入れや調査点検、防虫剤の入れ替えなどを行う。
勅使の押野智行侍従や宮内庁正倉院事務所の飯田剛彦所長、橋村公英東大寺別当ら15人が、手や口を清めてから西宝庫へ入った。宝庫の中は、宝物を納めた六つの部屋があり、それぞれの扉に施された麻縄を切り、天皇陛下直筆の御親署が取り付けられた鍵の勅封を解いた。
開封の期間中、奈良国立博物館(奈良市)の第76回「正倉院展」(26日~11月11日)で宝物の一部を公開。現存唯一の七宝鏡「黄金瑠璃鈿背十二稜鏡(おうごんるりでんはいのじゅうにりょうきょう)」など57件が展示される。