祖先の暮らし後世へ 奈良県立民俗博物館開館までの経緯
奈良県立民俗博物館の設置は1970(昭和45)年11月、奥田良三知事(当時)が市町村長会で民俗資料の収集を提案したことがきっかけとなった。経済成長が著しく生活様式が急激に変化した時代。奥田氏の著書「燦々青々滾々(さんさんせいせいこんこん)ー私の県政記」によると、こう訴えたという。「それらを保存して祖先の暮らしの姿を子孫に伝えるのは、われわれの責務であると思う」
県は各市町村に調査員2人ずつ計94人を委嘱し、71(同46)年10月から民具の第1次収集活動が始まった。翌年には奥田氏が市長村長らに事業の意義を直接説明して協力を依頼し、県下全域での調査収集が進められた。
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