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バンビで2季目の石井峻平 攻守の「要」に 増す存在感 来季も注目 - バンビシャス奈良

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石井の持ち味であるアウトサイドからのジャンプシュート=3月17日、金魚スクエア

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 バンビシャス奈良で2シーズン目を迎える石井峻平(29)。188センチ、88キロのシューティングガード(SG)としてアウトサイドシュートを持ち味にする。

 

 2017―18シーズンからアースフレンズ東京Z(当時B2、現B3)の特別指定選手としてプロキャリアをスタートさせ、翌シーズンには出身地新潟のB1チーム、新潟アルビレックスBB(現B3)に移籍し、そこで地区優勝も経験した。新潟には20年まで在籍し、B2の愛媛オレンジバイキングスで2シーズンを過ごし、23―24シーズンからバンビシャスでプレーしている。

 

 「個人的に『もっとやれただろう』という思いを残した」と、前シーズンは納得できるものではなかった。その脳裏には愛媛での最後のシーズンに、47試合でコートに立ち、うち17試合でスターティングを務め、平均5・1点の結果を残せたことがあった。奈良での初年度は平均2・0点。強みとするシュートが入らない。3ポイントエリア前後から安定してシュートを決めることでインサイドのディフェンスを外側に引寄せるのがSGの重要な役割となる。「そろそろ入ってくれんかなぁ」、思わずそんな愚痴がこぼれたこともあった。

 

 シューティングの不調を補うために力を入れたのがディフェンスだ。それは、ディフェンスをプレーの中心に置く小野秀二HCとの意図とも合致し、石井に居場所を与えることになった。

 

 「ディフェンスはプロになるまでできなかった」と石井は告白する。その重要性を認識したのは、ルーキーシーズンに新潟で地区優勝を経験してからだ。勝つためにディフェンスが欠かせないことを痛感した。当時の主力選手だった柏木真介(現B1、三遠ネオフェニックス)から学び、トレーニング方法も変えて徐々に足も動くようになった。

 

 ベンチスタートの選手は、時に流れを変えるワンプレーで不利な戦況を打開する役割も求められる。シーズン中盤以降、試合に貢献した選手の一人として小野HCからその名が挙がる機会も増えた。それでも石井は「大事な場面で出してもらったのに裏切り続けてきた」と重く受け止める。

 

 日本人選手としては唯一、全60試合出場したことも特筆すべき点だ。必要とされ、呼ばれればいつでもコートに立てることはプロとして欠くことのできない資質の一つ。時にはけがで欠場したポイントガードの代役も務めた。急場をしのいでくれる選手は貴重な存在だ。

 

 全試合出場と言っても、決して万全な状態で臨めたわけではなかった。バンビシャスに合流する前の5月には、右手小指の手術を受け、ほとんど使えない状態だったという。結果を残せなかった言い訳にしたくなかったのだろう、「記事にしなくていい」と石井は言い添えた。しかし、メディア向けの新体制発表会で神田悠輝ゼネラルマネージャーが「けがの影響で持ち味である3点シュートが入らなかった」と明かしたこともあり、前シーズン思うようなプレーができなかった原因の一つとして、ここに記しておきたい。(有賀)

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