経済

金属製建具の新しいスタイル 個別の宅配BOXも 「豊明」 - 奈良の自慢企業(25)

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ビル・マンション向けの建築資材を扱う豊明の社屋

 奈良県王寺町にある豊明は、金属製建具を主体にヨーロッパ調デザインの門扉、フェンス、 階段の手すり、窓枠といったロートアイアンや、自動ドアエンジン、超軽量極薄天然石材など、ビル・マンション向けの建築資材を扱っている。

 

 社長の岡本高光氏は、自営業を営んでいた祖父の影響を受けて、学生の時から経営や起業に興味があったそう。大学卒業後は東大阪市のバルブメーカーに就職し、東京で製品の開発営業にまい進していたが、義父が同社を設立するに当たり、最初から関わることになった。しばらくは支援や協力をしながら協働していたが、設立1年後の1990年には正式に同社に入社することとなり、98年には社長に就任した。

 

 設計事務所やゼネコンから指示される図面に沿ってメーカーに発注し、利益を乗せて販売する卸売が主であったが、同業他社と差別化ができないと考えた岡本社長は、徐々にビル・マンション向けの金属製建具の販売、設計、施工、アフターメンテナンスまで一貫して受注できる体制を整えた。

 

 2013年にはグループ会社「キャッチ」を設立して、ベトナムから熟練工が製造したロートアイアンの直輸入を始め、販売、設計、施工できる商流も確立した。14年にはインドから内外装に使用できる超軽量極薄天然石材(Houmei Three Stone)の輸入も始めた。マンションやホテルなどの内外装で石材を使う場合に、従来と比べてはるかに低コストで施工することができ、こちらも差別化の一因となった。

 

 18年にはベトナム(ホーチミン)に子会社「HOUMEI VIETNAM」を設立し、より一層ベトナムとの連携を強めている。これら金属製建具、ロートアイアン、Houmei Three Stoneの3本柱に加えて、最近、最も力を入れているのが「スタイルシリーズ」だ。

 

 集合住宅に住んでいると、「宅配BOXがいっぱいで荷物が受け取れなかった」「宅配BOXに入ったままの荷物を受け取るよう督促メールがくる」といった経験をお持ちの方も多いのではないだろうか。また、宅配BOXに入った荷物を集合玄関まで取り行かなければならない不便を解決してくれるのが、個別住戸用の宅配BOX「スタイルT―BOX」だ。玄関脇に専用の宅配BOXを設置することで、前の荷物が入ったままでも次の荷物を入れられ、ゴルフバッグも玄関まで運んでくれるほか、クリーニングといった荷物のピックアップにも使用できる。利便性の向上に加えて、再配達やドライバーの長時間労働といった問題の解決にも一石を投じるのではないだろうか。

 

(帝国データバンク奈良支店長・近藤穣治)

 

 

 

【メモ】

豊明

奈良県王寺町畠田8丁目1757の3

HP:https://houmei-hsc.com

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