連携鮮やか 上昇機運 - 奈良クラブ

第16節のSC相模原戦を2―1と快勝し、ホーム3連勝と勢いを増す奈良クラブ。直近5試合は3勝1分け1敗で上り調子だ。ここまでの戦績は4勝7分け5敗の勝ち点19で現在14位。1位の大宮アルディージャは第16節も勝利を重ね、勝ち点39と独走を続ける。
2位はアスルクラロ沼津で勝ち点28、3位はFC琉球で勝ち点27、4位のFC大阪と5位のSC相模原が勝ち点25で続く。6~10位は勝ち点23の福島ユナイテッドFC、ツエーゲン金沢、AC長野パルセイロ、松本山雅FC、FC今治が並ぶ。奈良クラブが現在の調子を維持すれば、リーグ戦折り返しの第19節までに、この混戦に加わることも視界に入る。
8日に対戦したSC相模原は直近6試合黒星なしで、第15節終了時点でリーグ3位と上位を走るチーム。だが奈良クラブは、キックオフからわずか6分で鮮やかに先制し会場を沸かせた。
素早く切り込んだ嫁阪が相手のファウルを誘ってフリーキックを獲得すると、相模原の選手が手薄だったゴール左脇のスペースに中島がボールを送り、鈴木が頭で合わせてゴール前に送ったボールを小谷が胸で押し込んだ。小谷はこれが今季初得点。
前半32分にカウンターで攻め入られ同点とされるも、ハーフタイム明けから攻勢を強めた奈良は後半9分、嫁阪がピッチ中央からドリブルでペナルティーエリア手前まで運んで相手DFを引き付け、並走していた百田と交錯した瞬間、左サイドからゴール前に走り込んでいた岡田優にパス。相手DFを振り切った岡田優がゴール右下へ流れるようなシュートを決めて勝ち越し点を奪った。
得点したシーン以外でも選手の連携の精度は上がっており、得点には至らなかったものの、右サイドの生駒からのクロスで国武がゴールに迫る場面や、左サイドの下川のクロスに百田が頭で合わせ、流れたボールを嫁阪が押し込もうとする場面も印象に残った。
守ってはGK岡田慎が倒れ込みながら足を伸ばして相手シュートを防ぐなど、他の選手とともにゴールを死守する場面が何度も見られた。この試合では相模原が計9回コーナーキックを獲得したが、そこから失点することはなかった。今季序盤にはセットプレーからの失点で勝ち点を失う試合がいくつかあったが、課題としてきた部分の改善がうかがえる。フリアン監督は「守備も非常に改善され、選手たちの努力が実を結んでいると思うが、エリア内の守備での一人一人の役割など、さらに細かいディテールの質の向上を求めていきたい」とした。
先制点を決めた小谷はその場面を振り返り「めちゃくちゃ良い折り返しだった。試合でも練習でもキーパー前で折り返すシーンがよくあったので、今日は大誠(鈴木)が絶対にそこに折り返すと信じていた。あとは魂で押し込むだけだった」と話す。
キャプテンとしてチームをけん引する小谷は「夏休みに入ると応援の子どもたちも増えてくるので、強い姿、勝っている姿を見せたい。ここからが大事」と気を引き締める一方、リーグ戦ではホーム初のナイターとなった今節に「やっぱりJリーグの夏はナイトゲーム。燃えるものがある。改めていいなと思った」と笑顔を見せた。
決勝点を挙げた岡田優は「(相模原は)相手に応じて対策してくるチームなので、しっかり準備して臨んだ。最初は良かったが徐々にアジャストされ、カウンターにカウンターで返される場面もあった。後半は相手の形を受けながら、細い糸を手繰り寄せるようにチャンスをつくれたんじゃないかと思う」と試合を振り返った。
自身の得点直後、フリアン監督に駆け寄り抱き合って喜んだ場面について「フリアンからの期待やプレッシャーに対し、自分がそれを乗り越えられるかを楽しんでいる。まだまだこんなもんじゃないと自分が自分に一番期待しているので、それを越えていくしかない」と意気込みを語った。
次節は16日、福岡県のミクニワールドスタジアム北九州で、現在一つ上の13位で勝ち点19と並ぶギラヴァンツ北九州と対戦する。
前半36分、百田のヘディングシュートで流れたボールに合わせてゴール前に飛び込む嫁阪=同
ヒーローインタビューに応える小谷=同
サポーターに勝利のラインダンスを披露する奈良クラブ選手ら=同
2024年6月14日付・奈良新聞に掲載