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優勝を狙うもまさかの失速 来シーズンは新Vリーグで頂点目指す - 奈良ドリーマーズ

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ホーム2連戦に臨む奈良ドリーマーズ=3月16日、ロートアリーナ奈良

 奈良県に拠点を置く奈良ドリーマーズが参戦する、バレーボールVリーグのDIVISION3 MEN(男子V3)の2023―24シーズンが3月に終了した。奈良ドリーマーズは12勝8敗で11チーム中5位。今年10月に開幕する来シーズンはリーグが再編成され新リーグとしてスタートするためV3で戦うのは最後となった。「優勝して有終の美を飾りたい」と挑んだが、あと一歩及ばなかった。

 

 V3リーグではレギュラーラウンドで全20試合を行い、上位3チームがファイナルラウンドに進出。そこで王者が決まる。奈良ドリーマーズは勝ち点37で3位の長野GaRonsと並んだが、勝率で後退しファイナルラウンドを逃がした。

 

 ドリーマーズは開幕から4連勝する好調な滑り出しを見せ、5戦目で長野に敗れたが、続く第6戦、首位を独走していたフラーゴラッド鹿児島をセットカウント3―1で下すなど優勝に向け万全な態勢を整えた前半戦だった。

 

 年が明けた第7、8戦も連勝し、首位の鹿児島と並ぶ勝ち点21。セット率で及ばなかったため2位となったが、そこからまさかの失速。チームの尾上尚史GMはその原因について、「けが、体調不良なども重なったが、関西圏での試合が全くなく遠征が多かったため、選手たちの体調管理が難しかった」と話す。

 

 ドリーマーズは3月16、17日にロートアリーナ奈良で行われたシーズン最終戦までの10試合、東京、福岡、長野、鹿児島、愛媛、千葉への転戦を強いられた。結果は3勝7敗でずるずると順位を落としていった。ホーム最終2連戦は勝利で飾れたが、大きな悔いを残す後半戦となった。

 

 V3リーグは今シーズンで消滅するためリベンジの機会は訪れないが、ここは気持ちを切り替えて次に進むしかない。奈良ドリーマーズの次シーズンはどうなるのだろうか。

 

 Vリーグは2024―25シーズンから世界最高峰のリーグを目指す「SVリーグ」と、社会人の最高峰リーグとなる「Vリーグ」に分かれる。奈良ドリーマーズはVリーグへの参戦が承認され、そこでの頂点を目指していく。新Vリーグには現V2、V3所属の18チームの参加が予定され、東西2地区に分かれた西地区にドリーマーズは組み込まれる。全14節28試合でバスケットボールのBリーグ同様にホーム&アウェー方式を取ることになり、半分は県内での試合になる。これまで以上にドリーマーズの試合を見る機会が増える。 

 

 戦力は主力だった江崎闘愛、有津翔太らが退団するが、片野坂拓人、岡本伊武己、中西翔太、山根志哉らは継続。新規戦力として投入された本多駿、ウッズ・タナーのアウトサイドヒッター陣も引き続きドリーマーズでプレーする予定になっている。何より練習拠点にする三郷町のFSS35スポーツアリーナの存在が大きい。「新Vリーグの中では最も練習環境が整ったチームだと思う」(尾上GM)と、専用拠点を持つことに興味を示す選手も少なくないようで、さらなる有力選手の獲得を後押しする。

 

 実は奈良ドリーマーズはV3チームで唯一SVライセンスを申請していた。残念ながらライセンス交付には至らなかったが、尾上GMは「事業形態などを整え、来シーズンも申請する」とトップリーグ入りを目指す。新Vリーグ参戦はその第一歩となる。そこでの戦いぶりにぜひ注目してほしい。(有賀哲信)

 

2024年5月8日付・奈良新聞に掲載

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