景況感2カ月ぶり改善 - 3月奈良県内中小企業
人手不足、収益力の足かせに
奈良県中小企業団体中央会(佐藤進会長)が6日までに発表した3月の県内中小企業景況は、業界の景況感を示す景況判断DI(前年同月比)が前月から7.5ポイント上昇のマイナス5.0となり、2カ月ぶりに改善した。
製造業(8業種)の景況判断DIは、前月から6.3ポイント上昇のマイナス12.5で4カ月ぶりに改善。非製造業(7業種)は0.0と前月から8.4ポイント上昇した。
業種別に見ると、「そうめん」は、3月に入ってから気温の変動が大きく、そうめんの製造が難しい状況が続いた。「木材」は、各事業所で従業員の高齢化が深刻。募集しても雇用が促進されず、人手不足で厳しい状況となっている。「青果」は、3月も天候不順が続き、特に気温が上昇し過ぎたため、野菜が前倒し出荷となったことから、中旬以降で品薄状態となり、高値が続いた。
「商店街(橿原市)」は、3月は年度代わりということもあり、特に週末の駅南側飲食店では、団体を含め人の流れが多い。「車整備」は、コロナ禍以前の年度末の活気が戻ってきた。「写真」は、3月は卒業式月間であり、写真館は久しぶりに晴れやかな活気が感じられ、先行きの明るさが見えてきた。
同中央会は「人手不足・人材確保の問題が、依然として多くの業種で収益力の足かせとなっている」としている。
景況判断DIは、前年同月と比べて「好転した」とする割合から「悪化した」とする割合を差し引いて算出。県内の15業種40組合を対象に調査を実施した。