高校野球 部員不足の対策に本腰 - コラム スポーツ ウォッチング
高校野球(硬式)の春季近畿地区大会の県予選が13日から始まった。県高野連に加盟する39校35チームが頂点を目指す。100年の歴史を刻み、不動の人気と思いきや近年は部員不足に悩む高校が多いという。今大会も2校と4校の2つの合同チームが参加する。
部員不足は全国的な傾向で、日本高野連は次の100年を視野に「高校野球200年構想事業」と銘打ち、普及・振興に動き出した。県高野連も未就学児や小学1、2年を対象に8月23日、佐藤薬品スタジアムで高校球児とともに野球を楽しむ「キッズ野球フェスタin橿原」を開催する。
少子化で競技人口が減ることを差し引いたとしても子どもたちのスポーツ離れは深刻だ。「やるスポーツ」と「観るスポーツ」は別物、という意見もあるが、県ゆかりの高校球児がプロの世界で躍動する姿はひいきチームの垣根を越え、勇気づけられる。
ここからは虎党の筆者の野球観戦記。甲子園球場100周年を迎える節目のシーズン本拠地開幕戦(9日、広島戦)で村上頌樹(智弁学園高―東洋大)が期待に応えた。今季は黒星スタートの村上だったが、この日は緩急織り交ぜ、コーナーを丁寧につき七回無失点。カーブを勝負球に加えるなど進化を見せつけ、1週間で輝きを取り戻した。14日、2試合ぶりに6番・左翼で先発出場した前川右京(智弁学園高卒3年目)は連敗脱出の足がかりとなる二塁打を放って勝ち越しの生還。存在感を示した。(牡)
2024年4月17日付・奈良新聞に掲載