攻守とも随所で光るプレー - 奈良クラブ
今季初のアウェー戦となった第3節、奈良クラブは富山県総合運動公園陸上競技場でカターレ富山と1―1で引き分けた。前節に続き、先制しながらも追い付かれる展開となったが、攻守とも随所で光るプレーが見られた。
J3昇格すぐの昨季序盤は、攻撃面、得点力を課題に挙げていたが、今季は開幕戦からここまで毎試合得点している奈良クラブ。うち2試合でゴールを決め、前節でも嫁阪のクロスに合わせてゴール前に飛び込むことで相手キーパーを誘い出し、得点に貢献(ゴールは嫁阪)した大卒ルーキー百田は、ストライカーとして早くも存在感を示し、昨年の関西学生サッカーリーグに続いて今季J3得点王を目指す。
またJFA・Jリーグ特別指定選手として興国高から新加入した国武も、ピッチ中央からゴール前まで相手ディフェンスを貫通していく突破力やゴール前でのプレッシャーなど、攻撃面の層の厚さを感じさせる要因の一つになっている。中央付近から一気に相手ゴール前へ切り込んでいく岡田優や、最終ラインの防衛からピッチ中盤での巧みなパス、敵陣深くからのクロスなど多彩なプレーをみせる下川ら、新加入選手らの活躍が従来の選手らが築き上げてきた奈良クラブの持ち味に加味されている印象を受ける。
今節でも前半特に目立った高精度のボールポゼッションや、最終ラインからピッチを縦に切り裂くような速攻、先制点の際の波状攻撃など、攻撃面での手数の多さ、最終ラインを堅守する鈴木、沢田らによる安定した守備など、勝利に向けての期待感は増すばかりだ。
フリアン監督は「もちろん今季初勝利をつかみたい思いはあったが」と前置きした上で「非常に良いゲームだったと思う。われわれのスタイルである良いポジションからプレーをする点はよくできていた。ターゲットマンを2人置いて常にわれわれのセンターバックの背後をついてくるような相手のプレースタイルにもよく対応し、われわれのゴールからできる限り遠いところからディフェンスすることがよくできていた。今節の富山、次節の大宮と、上位を争うようなチームと戦っていくためには、このようなアイデアを持ち、やり切らないといけない」と激戦を振り返った。
第4節はあす16日、アウェー戦2戦目として埼玉県のNACK5スタジアム大宮で大宮アルディージャと対戦する。熱戦に期待したい。(岩本)
富山のDF・安光とマッチアップする岡田優=同 (C)NARA CLUB