音羽山観音寺後藤住職の花だより - 一番好きな花編 2024年2月上旬
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ダイモンジソウの鉢を棚から降ろして地面に置いていました。プラスチックプランターの鉢も、日が当たるように広げています。芽が出るのももうすぐ。一つの鉢に数種の花が植わっています。春からまた花たちが鉢の中で自分の勢力を広げる争いを始めるのです。
残雪の庭
消える花と元気な花 春を迎える準備も
住職が持っている原色茶花大事典。そこに載っている花で庭にない花もあります。
「クマガイソウね。育てていたけど、5、6年で消えちゃったかしら」
気候や土、環境で庭に合う花、合わない花が出てきます。クマガイソウもこの庭に合わなかったようです。
ところで住職が一番好きな花はこの庭にあるのでしょうか?
「クリンソウよ。漢字で書くと九輪草。花が9段に渡って咲くらしいけど、そこまで咲くのは一つもないわね」
境内のクリンソウは本堂の横の花壇、参道のクリンソウはイチョウの木の下にあります。
イチョウの木の下のクリンソウ。2022年4月22日撮影
「参道の大きな株でも5、6段くらいまでね。あーでも高野山の奥の院にりっぱなクリンソウがあって数えたら13段あったわ」
それで思い出したのか。「(庭の花に)寒肥えまかないと、忘れてたわ」とあわてます。
「化学肥料ね。まくのも保管も簡単だもの」
前に株分けをしないと花が小さくなって消える話をしていましたが、肥料がないと花たちがもっと消えてしまいそうです。
さて夕方になり、犬たちの散歩の時間になりました。リードを外して境内を自由にさせています。
「サクちゃん、ご飯よー」
いろいろなドッグフードを混ぜたご飯を手にしながらサクラを待つ住職
聞こえているのに聞こえていない振りをするサクラ。昼間は少し暖かくても、夕方は気温が一気に下がってきます。
「サクちゃん。早く帰って来てー」
庭中駆け回っているサクラを住職は仕方なく迎えに行くのでした。
音羽山観音寺
山の中にある尼寺。桜井市南音羽
JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。
火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門