音羽山観音寺後藤住職の花だより - 失せ物は観音様に見つけてもらう編 2024年1月上旬
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寺の台所、流しの上に小さなまねきねこが並んでいます。「金色は誰が選んだのかしら? 私が選んだのは白色だったの。白いのはどこに置いたっけ? 手が右手が上がっていたり、左手だったり種類があってね。中におみくじが入っていたのよ」。本堂にこのおみくじを置いています。住職も引くことがあったのです。
寺の中での一大事 帳面がなくなった
参拝者が訪れる合間に帳面を広げ仕事をしています。その帳面は信者・支援者とのやりとりを何年にも渡って書き記している大切なものです。
住職、大事な仕事中
「それがこの間、いくら探しても見つからなくてね。どんな方からどういうご支援をいただいたか、お守りなどの発送先とか、発送した場合はその伝票番号とか何でも書いてある帳面だからなくなったら本当に困るのよ」
観音寺にパソコンはありますが、住職は使えません。データ管理はすべて手書きで、保存しています。今まで作った「料理のレシピ」も「虎の巻(まっちゃんが残したジャムびんの煮沸時間などが書いている)」も紙のノートです。
「あきらめようかと思ったけど、本堂に行って観音経をあげておみくじを引いたの。そしたら『失せ物は出難し、下にある』って書いていたのよ」
「下?」と思いながら、支援者と床あたりを探したそうです。
「そしたら階段の下にあったのよ。支援者が見つけてくれたの。帳面の上にいろいろな書類が載っていたから分からなかったのね」
その帳面を見ながら、お守りや開運暦を封筒に入れています。もうすぐ郵便局員がバイクで寺まで登って来る時間。間に合わせようと急いで用意していました。
仕事の合間のひととき
「失せ物は観音様に見つけていただくのが一番ね。今まで100%の確率で失せ物を見つけてくださったわ。大事なものが見つからないときだけお願いするから、1年に1度あるかないかだけど」
そういいながらも全国からいろいろなお供え物が送られてきて、ほぼ100%誰から送られたか住職は記憶しています。その記憶力は帳面なんて要らないのでは? と思ってしまうほどです。
さて本堂にあるお守りですが、観音経を覚えていない人のために、経本を置いています。ピンク色のフセンのページを唱える(あげる)とよいそうです。
音羽山観音寺
山の中にある尼寺。桜井市南音羽
JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。
1月18日〜2月29日まで閉門(2月17日除く)。3月1日から火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門