音羽山観音寺後藤住職の花だより - 花と昼食編 2024年1月上旬
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冬の盛り花は菊が多くなります。白色、黄色やピンク色の菊で玄関が華やかです。また庭は早くもセイヨウサクラソウが開花。早春のようすに住職の顔もほころびます。
早くも春の兆し なますとごまめ
素焼きの鉢が集められていました。
「イカリソウの鉢を集めたの。バイカ(梅花)イカリソウもこの中にあるのよ」
バイカイカリソウは小さな花。赤い色や白い色など3種類ほどあって、住職のお気に入りです。軒下の鉢は雨に当たらないので表面が乾いていました。
芽が出ているイカリソウも
「もう少し前に置きなおしましょう」
花たちには山水を溜めてから散水するので、たくさんあげられません。できるだけ雨に頼るのです。
それらの鉢の近くのセリは日当たりのよいテラスにあり、もう食べられるくらい大きくなっていました。七草がゆに入れるそうです。
青々としたセリ
「ダイコンとカブはあるから、セリ、ミツバ、ワサビ、クレソンとかも入れちゃうかも」と笑います。
さてこの日の昼食は、ごまめとなます。年末は特に忙しかったのにおせちを作ったのでしょうか。
「新年になってから作ったわね。でもごまめとなますだけよ」
なますに薄揚げが入っていました。
ごまめとなますと今日の漬物
「私が作るのは三河風ね。ダイコンやニンジン、それから薄切りこんぶを油を入れずに炒ってから、最後に薄揚げを炒めて、甘酢を入れて(具材がくたっとならないくらいに)少し煮るの」
煮酢和え(すあえ)と言うそうです。なますはお正月でないときに作りますが、煮酢和えはお正月しか作らないそうです。
「ごまめもいりこを苦みがなくなるまで炒めるの。ベースのしょう油と砂糖、ミリンを入れた鍋も同時に火にかけるわ。いりこが曲げてみてUの字になるくらいになったら、とろみがついたベースとナッツを合わせるの」
ごまめにはナッツのほか、ゴマも混ぜています。
「ちょっとピーナッツが少なかったかしら? ナッツの袋を開けたらおいしそうでね。4分の1くらい食べちゃった」
冷蔵庫に手作りしたものが入っています。たくさんある食材でも無駄にはしません。
「犬のおやつは食べきれなかったいりこなのよ」
それを知っているのでしょうか。オサムもサクラも夢中で食べています。
そんな犬たちがいる庭は、木々に葉がないため、夏よりも冬の方が明るく感じます。地中で眠る花たちも春を感じているのかもしれません。
明るい庭に立つ住職
音羽山観音寺
山の中にある尼寺。桜井市南音羽
JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。
1月18日〜2月29日まで閉門(2月17日除く)。3月1日から火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門