古都が育んだ感性 彫刻家の坂口さん講演 - 奈良ゾンタクラブ1月例会
女性の奉仕団体「奈良ゾンタクラブ」(中村絹代会長)の1月例会が20日、奈良市三条本町のホテル日航奈良であり、オンラインも含めて会員約20人が参加。奈良市を拠点に国内外で活躍している彫刻家、坂口紀代美さんが「時間を繋(つな)ぐ、空間を繋ぐ、人を繋ぐ、感性で繋ぐ!」と題して講演した。毎年1月の例会は、米国のゾンタクラブ会員で、1930年代に女性で世界で初めて大西洋単独飛行したアメリア・イアハートさんの偉業をたたえる講演会を開いている。
坂口さんは、昨年設置された般若寺(奈良市)の「長谷川テル訪問記念の碑」と十輪院の「森鴎外の歌碑」を制作したことを紹介。幼少期に母親に連れられて奈良のお寺をよく訪れていたことにも触れ、「奈良で育ったことが表現の世界に入るきっかけになった」と述べた。建設省(現国土交通省)都市局長賞を受賞した重量21トンのモニュメント「石舞台」(東京都練馬区)については、「奈良の時間軸と明日香から練馬への空間軸が詰まっているような気がする」と同作品を評した。
ドイツでも活動する坂口さんは、同国の彫刻家のアトリエなども説明。「ドイツの活動で気をつけていることは自分が何をしたいのかをはっきりと示すこと。積極的に話すようにした方がいい」と話し、自身が理事長を務める一般社団法人坂口紀代美記念館(奈良市)の取り組みも紹介した。