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音羽山観音寺後藤住職の花だより - ユキワリイチゲは移動する編 2024年1月上旬

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2023年4月5日撮影したユキワリイチゲ

【お知らせ】

1月18日〜2月29日まで閉門(2月17日除く)。

3月1日から火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門。

 

 

 極寒の音羽山観音寺。いつもなら薪ストーブの火がついているのに、石油ストーブを使用しています。「薪ストーブの掃除が大変でー。それに薪ってすぐに燃え尽きてしまうから、席を少し離れてる間に薪が灰になって部屋が冷えるの」。薪置き場から土手を見るとユキワリイチゲの葉が見えました。境内のあちらこちらにもあるそうです。

 

何年もかけて移動して 日当たりの良い場所へ

 

 松の内、五色の幕が本堂を彩っています。

 

 「7日にFくんが来るから、一旦片付けてもらおうかしら? 9日に本堂の樋(とい)の掃除に来てくれる人がいるのよ」

 

 片付けたいのはそれだけが理由ではありませんでした。

 

 「幕も日焼けするからね。15日にまた出してもらえばいいわね」物を長く大事にしている住職ならではの発言でした。

 

五色の幕はこの時期だけ

 

 

 さて本堂に上がる石段のところにユキワリイチゲの葉が見られます。三つ葉の葉の形に似ていて少し赤紫色なのが特徴です。花は4月ごろに開花。まだつぼみも見えません。

 

本堂の下のユキワリイチゲの葉

 

 「もともとここになかった花なのよ。納経所の下あたりにいっぱいあったの。不思議ね。毎年ちょっとずつ移動してるわ」

 

 住職がイチョウの木のところまで歩きます。イチョウの横にあるフェンスの向こうを見ながら話します。

 

ユキワリイチゲを探して

 

 「ここにもユキワリイチゲがあるはずなのよ」

 

 フェンスの向こうはシャガの葉だらけです。

 

 「あったわ」

 

 シャガとシャガとの間に赤紫の葉が見えました。

 

 「シャガは勢いがあるから、どんどん増えてしまうの」

 

 ユキワリイチゲの周りのシャガはいつも引き抜いて下に捨てているのだとか。

 

 「ユキワリイチゲが消えてしまわないようにね」

 

 スプリング・エフェメラル(早春に咲く小さな野草)は特に大事にしている住職。このあと思い出したかのように、昨年積み上げた鉢からキクザキイチゲの芽が出てないか探すのでした。

 

 

 

音羽山観音寺

山の中にある尼寺。桜井市南音羽

JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。

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