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音羽山観音寺後藤住職の花だより - 食べ物いっぱい冬の庭編 2023年12月上旬

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穂は付いているが粒がない

 プラスチックプランターの鉢の片隅に20cmほどの稲穂が出ていました。キュウリを育てるのに稲わらを使います。その種が落ちたのかもしれません。それを見た住職が「稲刈りしなくちゃね」と笑います。米が粒になるほど育っていないことを知っていてそう話すのです。

 

 

冬に緑色の野菜 土の中にも野菜が

 

 住職は冬野菜の苗を買ってきてまで育てていませんが、鉢に青々とした葉が育っていました。

 

 「クレソンなの。料理にちょっと緑が欲しいとき重宝するのよ」

 

大切にしているクレソン

 

 夏は草木に勢いがあるため、庭全体が見えないのですが、冬は隠れていたものが見えます。今日はマコモダケの鉢とは違う別の鉢を見つけました。

 

 「それはクワイなのよ」

 

クワイの鉢

 

 お正月用に育てているのでしょうか。

 

 「クワイは、大きかったり、小さかったり、小さかったりしてね(住職が手で輪を作り大きさを記者に伝えます。中くらいがないと言いたいよう)。だから大きい粒ぞろいのクワイを買うことにしているの」

 

 「えー? 観賞用?」思わず記者の声が出てしまいました。それにしてはもったいない気がします。クワイの向こうはフェンスになっていて、下の方まで見降ろせました。

 

 「マダケ(真竹)があるのよ」

 

下の方の日陰にマダケが見える

 

 かつて寺の南斜面をおおうほどマダケが生えていました。日光が当たらないから切ったという話を住職から聞いたことがあります。

 

 「そのころはモウソウダケ(孟宗竹)くらい太いのもあったのよ」

 

 きっとタケノコも大きかったのでしょう。

 

 「竹は本堂の掃除のときに役に立つし、施餓鬼会(せがきえ=8月17日)のときに四方に飾りに使うの。そのために少し残しているのよ」

 

 また他にもキクイモ、食用菊、大和当帰など食べられるものをいっぱい植えています。住職はそのすべてをどこに植えて食べごろはいつなのか知っているのです。

 

 

 

音羽山観音寺

山の中にある尼寺。桜井市南音羽

JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。火曜日閉門。

17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門

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