音羽山観音寺後藤住職の花だより - 冬じたく編 2023年10月上旬
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10月になりました。部屋の中は寒くて、もう石油ストーブがついています。住職に抱いてもらって温かくなったのか、ネコのクルミがウトウトし始めました。犬のオサムもサクラも小屋に入り顔だけ出します。今日の昼間はぽかぽか温かく、みんな眠そうです。
人も花も冬じたく 挿し木や株分けも
「そろそろ薪ストーブの準備がいるわね。それには裏の土手の草刈りをしないと」
夏に伸びた草に火の粉が飛ぶと火事になってしまいます。火は特に扱いに気を付けているのです。それから1回ストーブに火を入れてから煙突のススを払います。薪ストーブのメンテナンスは大変です。
ストーブの煙突が外の土手に続いている
さて庭のミョウガの葉がすっかり切り取られ、共生しているナンバンギセルがあらわになりました。ミョウガの場所は春にムラサキハナナが咲きます。すでにムラサキハナナが場所を抑えているかのようにいっぱい芽が出ていました。
ミョウガを切った跡とムラサキハナナの丸い葉
夏から秋に咲いていたヒオウギ。黒いツヤツヤとした種が今にも飛び出しそうです。どんどん冬に向かって葉が枯れていく中で、サラシナショウマが元気に花を咲かせていました。
ヒオウギの種
「冬になる前に、本当は9月くらいに株分けや挿し木をしないといけないのに、時間がなくてね。挿し木は雑菌のない新しい土を使わないといけないの。そうしないと、芽が出てこないのがあるのよ。挿し木には鹿沼土とか赤土とかを使うわね」
さらに消毒したナイフで斜めに切って挿し木をします。椿もしたことがあるそうです。
「前にワレモコウの株分けをしようとしたら鉢の土がカチカチに固まっていてね。スコップですくえなくて、土を切ったのよ。そしたら土の中が根でいっぱいになっていて、これじゃあ肥料が中まで届かないはずだわと思ったの。株分けしたら次の年は伸びて伸びて、2mくらいの大きさになったのよ。どの花もそう(宿根草)だけど植えっぱなしはダメね。挿し木や株分けをしないと、3〜4年で花の勢いがなくなって、6〜7年で花が消えてしまうこともあるのよ」
などと言いながら、住職は挿し木が新しい土の鉢に入らなかった分を、他の鉢の隙間に植えていました。
眠たそうなオサム
住職が小屋の前を通ると出て来るサクラ
音羽山観音寺
山の中にある尼寺。桜井市南音羽
JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。火曜日閉門。
17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門