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トークや交流で生き方を見つめ 奈良市創業支援施設・BONCHI注目の「ライフ・ピクニック」

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ピクニック気分で展開されたイベント=9月29日、奈良市橋本町のBONCHI

盛年層に広がり 多様な価値観、未来のヒント

 

 今年7月に奈良市創業支援施設「BONCHI」で始まった、ピクニック感覚で自分の生き方を見つめ直すイベント「LIFE PICNIC(ライフ・ピクニック)」(同市主催、一般社団法人TOMOS企画・運営)が、盛年層を中心に注目されている。ゲストのトークや参加者同士の対話、交流を通して暮らしや仕事における次の展開を考える。新たな一歩を踏み出すことに背中を押してくれる出会いの場が、ゆっくりと広がりを見せている。

 

 同施設では2021年秋から約1年間6回シリーズで、トークイベント「Work Magic NARA(ワーク・マジック・ナラ)」が行われた。参加者はこれからの働き方や良い仕事を共に考えた。

 

 ライフ・ピクニックはそれを引き継ぐ取り組みだ。各界の第一線で活躍するゲストの話を聴くだけでなく、参加者同士が対話、交流する時間を拡大。明確な答えは求めず、多様な価値観に直接触れることで自分はどう在りたいか、どう生きたいかを深めていく。

 

 自ら発言するなど参加型イベントに加わりやすいよう、ピクニックの雰囲気を演出。床に敷かれたラグに座り、用意された軽食や飲み物を自由に楽しみながら聴講や対話が進行する。

 

 9月29日の第2回は、立命館アジア太平洋大学客員准教授の唐川靖弘さんがゲストで、奈良市在住のエッセイ作家、しまだあやさんが聞き手を務めた。唐川さんは、仕事も遊びも大事にし、自分ならではの新しい価値をつくろうとする越境型人材「うろうろアリ」の必要性を提言。うろうろアリの心を持って日々小さなアクションを起こすことが大切と呼びかけた。

 

 この後、約30人の参加者は小グループに分かれておしゃべり。ゲストトークの内容を踏まえつつ、自分の歩んできた道や現在の活動、興味関心、成功・失敗談、行動を起こさせる物事などについて語り合った。各グループの会話に耳を傾けた唐川さんは「経験しないと分からないことがある。今はうまくいっていないことも、いつか素晴らしい価値観になる。とにかく毎日を楽しく生きてほしい」と語りかけた。

 

 初回も参加した奈良市の会社員女性(42)は「人材派遣系の仕事柄、人々の考えに興味がある。自分の視野を広げられる機会として楽しんでいる」と満足した様子。初めて参加した同市の会社員男性(35)は「ちょっと話すだけで、それぞれの人が面白いものを持っていることが分かってよかった」と話した。

 

 TOMOSUの中島章代表理事は「ゲストの貴重な話を聞くだけでなく、話す時間も取り入れることで自分のことに気付き、他者の思いを共有できるようにした」とする。「ゲストの話、多様な価値観を持つ参加者との交流で、どうやって生きていくのかを自ら考えるきっかけや、現状の仕事、生活の改善に向けた何かの発見につながれば」と期待した。

 

 今後、2カ月に1回のペースで開催の予定。次回は12月1日、組織開発専門家の勅使川原真衣さんをゲストに開かれる。

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