日本総合園芸 作り手との対話重視 - ピックアップ 奈良の注目企業(7)
日本政策金融公庫奈良支店 迎勇斗
日本総合園芸(中村太郎社長)は鉢花や切り花を定期的に自宅まで届ける事業「花の定期便」のほか、自然派食品の宅配事業「さんらいふ」を展開している。「さんらいふ」で扱うのは化学合成の食品添加物を極力排した調味料や有機野菜などだ。
同社は、作り手との対話を通じて培った「顔が見える取引」を大切にしており、中村社長自身が生産者のもとを訪れることも多い。その中で、農薬・化学肥料を一切使わない自然農法で知られる福岡正信自然農園と出合った。限りなく自然に近い環境で育て収穫された同農園の柑橘(かんきつ)などを使用した加工品の販売も行っている。
人気のマーマレードは、マーマレードの世界大会であるダルメイン世界マーマレードアワード&フェスティバルで2019年から22年まで4年連続金賞を受賞している。原材料は化学肥料・農薬不使用で栽培された柑橘で、甘夏のほのかな苦みと、精製されていないてん菜糖のコクやレモンの爽やかな酸味を感じる一品に仕上がっている。規格外の不ぞろいの柑橘をふんだんに使用する取り組みは、SDGsの観点からも注目されている。
中村社長は「作り手のファンとなってこそ、胸を張って選りすぐりの商品を提供できると考えている。これからも皆さまにより良い商品とともに感動をお届けしていく」と話す。
日本総合園芸
奈良県田原本町千代19-1