音羽山観音寺 後藤住職の花だより - 梅雨の庭編 2023年6月梅雨
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住職の朝は大忙し。6時の鐘つきと本堂でお勤めから始まります。それからお寺の仏様すべてに新しいお茶と炊き立てのご飯のお供えを用意。それから開門前にオサムとサクラの散歩。最後に庭の花々の手入れをします。実はこの時間が一番大好きなのだとか。ゆっくりと木、草、花に話しかけます。
花もたくさん 虫もたくさん
梅雨時は花々の成長期になるため、勢いがあります。
昨年見たキンリョウヘン(=ミツバチラン)も咲いていました。
キンリョウヘンは住職右手の茶色い花
「今年もニホンミツバチ来てないのよ。もう分蜂する季節なのにね。ニホンミツバチを捕食するスズメバチが来るからそのせいかしらね」
軒下に何回もスズメバチの巣ができていて、その都度駆除しているそうです。
「去年は懸魚(げんぎょ=本堂にある木の彫り物)に巣を作っていることもあったのよ。そのときは駆除も大変だったの」
昨年までお寺で販売していたニホンミツバチの「まぼろしのハチミツ」はもっとまぼろしになりそうです。
さて庭にある植木鉢の葉は虫に食べられてボロボロです。ボロボロにした犯人が葉の上にいました。
「ギボウシがイナゴに食べられているわ」
ギボウシの葉に穴をあけた犯人はどこでしょうか?
園芸種の小さなギボウシは全部で3鉢。亡くなられた信者から受け継いだものです。虫の数よりも葉の勢いの方が優勢です。
「草刈りが追いつかなくて、あちこち草ぼうぼうなの。『除草剤まいたら?』っていう人もあるけど。野草に大事なのもあるから薬は使いたくないわね」
「そういえば今年もサイハイラン咲きましたか?」という記者の質問に「ちょうど今、咲いているわよ」という住職。
サイハイランも大切な野草。亡くなった犬のタロウの小屋の近くに群生しています。
「タロウはいつも寺の方を見上げていたわね。散歩の時間に境内を自由にさせていたら、必ず上に来てから満足して小屋に戻っていたわ。帰る時に苔庭の真ん中を走るから虫の害よりもひどかったわよ」となつかしそうに話します。
「今年は虫に食べられずに咲いてね」とホタルブクロに話しかける
音羽山観音寺
山の中にある尼寺。桜井市南音羽
JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。火曜日閉門。
17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門