音羽山観音寺 後藤住職の花だより - ゴールデンウイーク前編 2023年春
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音羽山観音寺の最大行事4月17日の大般若会(だいはんにゃえ)。今年も大勢の人がお参りに来てくれました。本堂ではお守りや住職が作ったジャム類も販売しています。「みーんな売れてなくなったわ」という住職。「ゴールデンウイークは、遠方から来た人がお守りや手作り品の購入を希望されるはず」ということでゴールデンウイーク前のこの日、ジャムづくりが始まりました。
住職のひと言で 支援者たちは動く
火曜の閉門日。お寺に支援者が集まっていました。その日の用件は昼過ぎには終えて、誰もが『今日は早く終わった』と思っていた時でした。
「冷凍庫にユズとイチジクがあるのよ」という住職。
支援者たちは、そのひと言で『今からひと仕事あるんですね』と察したそうです。
住職がペースト状のユズ、イチジクを持って来て、支援者たちは砂糖を探していました。何も言わなくても段取りができているようです。
支援者で砂糖を探す
ガラスビンの煮沸が始まりました。1人がラベルのチェックをしに立ち上がります。分担まで決まっているかのようです。
暗くなるまで奉仕して 花は気づかれずに咲く
寺の中では人が忙しくしているのと反対に、住職の庭はひっそりとしています。そんな庭でクリンソウが開花。その隣でサクラソウに似た大きなピンクの花が咲いています。
手が離せない住職に撮った画像を見てもらいました。
「それはね。日本サクラソウなのよ」
色が濃いピンクと薄い色の日本サクラソウです。よく見ると違う葉の形状の物が鉢に混ざっていました。
「キクザキイチゲなの。それに薄いピンクの日本サクラソウがくっついていたみたい。勝手に生えたのよ」
あざやかな日本サクラソウ
また以前に『サルメンエビネを救え』の記事を書きましたが、咲いた花はジエビネでした。
「サルメンエビネ、どこにいったのかしら…」と住職は首をかしげます。
せっかく救済したのにジエビネだった
17時を過ぎ、ようやくジャムが完成し、倉庫に納品できました。いつもより遅くなりましたがオサムとサクラの散歩の時間です。
「オサムはいい子だね」おやつを待つオサム
「サクちゃん、散歩に行くよ」まだ緊張しているサクラ
支援者たちと一緒に下山。背の高い木が多くて日暮れも早く感じます。途中、18時の寺の鐘が聞こえてきました。もうこんな時間なんですね。
音羽山観音寺
山の中にある尼寺。桜井市南音羽
JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。火曜日閉門。
17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門