奈良県知事選、維新・山下氏が決起集会で気勢 現県政の刷新訴え - 統一地方選2023
「自民一本化を想定しなければならない。全力で戦う」。3月23日告示の奈良県知事選に日本維新の会公認で出馬を予定する元生駒市長の新人、山下真氏(54)の後援会決起集会が26日、奈良市内で開かれた。自民党が元総務官僚の新人平木省氏(48)と現職で5選を目指す荒井正吾氏(78)の推薦を巡って割れる中、山下氏が「漁夫の利」を得るとの見方もあり、山下氏は「選挙はそう甘くない。水面下でいろいろ動きがあると聞いている」と警戒。自民の候補一本化も視野に強く結束を呼びかけた。
自民党県連(会長=高市早苗・経済安全保障担当相)が平木氏推薦を決める一方、県連内には荒井氏を支持する動きもあり、情勢は混沌(こんとん)。さらに維新が今回、県議選に新人を含む16人を擁立し、統一選は自民の足元を激しく揺さぶる展開となっている。
山下氏の集会には、生駒市長時代から支持する市民や維新県総支部の幹部ら約150人(主催者発表)が出席。県総支部顧問の松尾勇臣元県議が「現職の知事は当選を重ねるうちに県民目線という初心を忘れてしまった」と「ハコモノ行政」への批判を展開。「他陣営は『奈良のことは奈良で決めよう』と奈良が大阪(の傘下)に下るような言い方だが、維新は国会議員から地方議員まで同じ土俵。大阪とも対等だ。近畿圏全体を発展させ、首都圏と対峙していく」と党の姿勢をアピールした。
山下氏は、荒井氏が進めた県コンベンションセンターや奈良公園バスターミナルの建設事業について「建設費だけでなく管理運営の負担も大きい。将来へのつけ回し」と批判。今後計画されている近鉄奈良線の移設や五條市での大規模防災拠点整備、リニア新駅から関空への鉄道建設などを再検討するとし、捻出した財源で所得制限なしの教育無償化や子育て支援を行うと決意を表明した。
生駒市長として取り組んだ財政改革の実績から実現可能とし、「人の意見を聞かず独断専行、ハコモノが大好きな知事とその政策を受け継ぐ姿勢の平木さんでは県政は何も変わらない」と述べ、民間出身を強調して「将来につけを回さず、役所の無駄を廃し、借金を返しながらサービスを充実させる」と支持を訴えた。
また、荒井氏に敗れた8年前の知事選を振り返り、「無所属の限界も知った。今回は維新が全面的にバックアップしてくれる。維新との『薩長同盟』で、奈良の維新を行っていく」とした。
県知事選には共産党など他にも出馬の動きがある。