被災者相談業務など連携 奈良市と奈良県司法書士会が協定

奈良市と奈良県司法書士会(森川崇会長、約210人)は17日、地震など大災害の発生時に円滑な復旧作業や被災者支援に向けた相談業務を行うための協定を締結した。県司法書士会が司法書士相談教務提携に関する協定を県内自治体と結ぶのは初めて。仲川元庸市長は「阪神淡路大震災から28年のきょう17日に、結ぶことになった意義を重くかみしめたい」などと述べた。
協定は主に、被災地での相談用件調査▽相続に関すること▽不動産登記や商業・法人登記に関する▽成年後見制度▽その他司法書士法に定める業務―に関する相談業務が対象。市は災害時、市役所などを会場に関係団体が連携し罹災(りさい)証明発行や災害補助金・義援金など相談に応じる体制を想定している。同市は奈良弁護士会とも同様の協定を締結している。
市役所で開かれた締結式で、仲川市長は「南海トラフ大地震や奈良盆地東縁断層帯による震災などさまざまな自然災害もある。目の前の命を救う緊急救援はもちろんのこと、避難所生活やまちの再建にはさまざまな支援が必要。司法書士会の専門分野を生かし市民の相談業務にのっていただくのは大変心強い」とあいさつ。
森川会長も「令和元(2019)年の司法書士法改正により、これまでの活動に加え幅広い業務に力を入れることになった。災害発生時の相談業務の締結もその一つで、災害時、近隣他府県から相談員派遣が可能な仕組みを構築し、被災地支援、復興活動に活用いただきたい」と述べた。