維新が2人目を擁立 激しい票の争奪戦に 奈良県議選 生駒市区(定数4) - 選挙展望2023
現職4陣営に、維新が新人1人を追加し、揺さぶりをかける。生き残りをかけ激しい票争奪戦となりそう。
自民党は7期の現職粒谷友示と地盤を南北に分け、住み分けを続けていた安井宏一が前回引退し、跡を引き継いだ元市議の樋口清士が9000票余りを得て県議選初陣ながら2位当選。若さを武器に、今回もその勢いをキープできるか。粒谷は個人人気に加え、経済界などに広げる人脈を生かし支持拡大を図る。陣営は前回4位当選だった危機感をバネに、票の掘り起こしで上積みを狙う。
前回唯一、1万票超えでトップ当選した無所属現職の阪口保は無党派層に浸透。県政だよりの配布など地道な活動にも力を入れ、ここ数年は新型コロナウイルス感染症拡大で中止していた県政報告会を、今回は1回50人規模に分け計3カ所実施する予定。
現職で3期目に挑む維新の佐藤光紀は初当選から7年9カ月の間に22回の県政報告会を開くなど小まめに活動してきた。
ただ、今回、維新が昨年夏の参院選での市内得票を足掛かりに、新人山田洋平を追加するなど攻めのギアを一段上げ、厳しい展開か。佐藤は毎回9000票で安定しているが、国政選挙と地方選挙の投票率の違いもある中、どこまで支持拡大を図れるか。
佐藤は「2人当選には、分かりやすいメッセージを有権者に届けることが不可欠」と述べ、維新にとって天王山となる大阪知事・市長ダブル選も追い風にしたいところ。維新の動静は他陣営にも影響を与えそうだ。
過去、同市区で議席を有した共産党は、2015年と19年の2回、新人を立てたが及ばず、今回は見送りの公算か。立憲民主党も候補擁立の具体的な動きは見せておらず、生駒は現時点で超過1人のサバイバル選挙区になると見られる。(文中敬称略)