川端運輸、ドローン物流へ挑戦 大和川上空実証実験で課題探る

川端運輸(奈良県大和郡山市今国府町、川端真也社長)は28日、同市額田部南町の「ホームポイント」から河合町穴闇の「着陸ポイント」までの大和川約3・2キロコースの上空でドローン物流実証実験を実施し、安全飛行の課題を探った。
同社は国土交通省の河川上空を活用したドローン物流の実証実験に参加する全国22団体の一つとして、県内で唯一選定されている。
参加団体は今年9月から来年3月にかけて、全国18カ所の河川上空で随時実証実験を実施。同省は実験で出てきた課題などを踏まえ、河川上空でのドローン物流のマニュアル作りや支援策などに反映する計画。
この日、1回目となった実証実験には、ビジネスとしてドローンを学ぶ「ドローン大学校」を卒業した川端社長と社員ら関係者5人が参加。
川端社長がホームポイントの大和川河川敷で送信機を手にドローンを操縦。西側にある着陸ポイントにいる補助員と連絡を取りながら、同川上空を飛行させた。
快晴で野鳥などの影響も受けずにドローンは順調に飛行していたものの、着陸ポイントの近くで、大和川を縦断する西名阪道付近で高度約45メートル状態で電波障害が発生。同道の上空を飛行する許可を得ていなかったため、当初ルートの高架下を高度を下げて飛行することが困難となり、ホームポイントまで折り返した。往復距離約4・5キロ、約20分間の飛行となった。
川端社長は「大和川は支流が多いのでドローン物流には有効」と現状を分析。その上で、「高速道路の下を、電波状態が悪く飛行できなかったほかは予想通り。今回の実験にあたっては河川や道路などを管理する団体に許可申請をしたが、許可を得るまで日数がかかった。今後は一緒に解決していきたい」と話した。
次回は来年1~2月に同じコースでドローンを使って物品を運ぶ実験を行う予定。