奈良県大和平野中央田園都市構想フォーラム 新たな街づくりへ意見交換
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大和平野中央田園都市構想の実現に向けた本年度第1回フォーラムが20日、奈良県田原本町阪手の田原本青垣生涯学習センターを主会場にオンライン中継も併せた形式で行われ、計約340人が聴講。地元で開かれる初のフォーラムで、同構想に関するこれまでの検討結果が報告されたほか、行政や有識者、地域住民も交えて新しい街づくりについて意見を交換した。
最初に荒井正吾知事が同田園都市構想について県の考え方を説明。県立の工科系大学の設立やスポーツ施設整備などを通じ、多様で良質な人材育成と雇用の場を創出するとともに、誰もが健全で希望を持てる「ウェル・ビーイング」な街づくりを目指すと話した。
具体的には、川西町下永地区で健康増進を目指すウエルネスタウン▽三宅町石見地区で工科大学とスタートアップビレッジ▽田原本町阪手北・西井上地区でスポーツ施設を核としたウエルネスタウン―を整備したいと報告。併せてリニア新幹線や京奈和自動車道など周辺で進むインフラ整備が田園都市推進に大きな力となると話した。
意見交換では「誰もが健康に過ごせるまち~ウエルビーイングなまちづくり」と題してパネル討論を行い、荒井知事、小沢晃広川西町長、森田浩司三宅町長、森章浩田原本町長のほか、有識者として筑波大学大学院教授の久野譜也さん、慶応大学教授の矢作恒雄さん、米スタンフォード大学主任研究員の池野文昭さん(オンライン)が出席。
また、住民代表として、地域で和太鼓チームの運営や図書館司書、子ども食堂などに取り組む、菊池礼香さん(川西町)、志野幾子さん(三宅町)、岡本春江さん(田原本町)の3人も参加。子育て支援や地域コミュニティーづくりなど、求められる取り組みについて話し合った。
荒井知事は総括で「意見交換では大切なコンセプトを教えてもらえた。たとえば生涯教育とは、いつでも必要なときに必要な教育を受けられることだとの指摘は、とても印象的だった。大和中央では女性ら誰もが学び、働ける場所づくりを進めたい」とし、「農産物だけでなく、人を育む田園都市、開かれたコミュニティーづくりを目指したい」と話した。