正倉院展10月29日開幕 鏡や銀製壺など初出陳含む59件

奈良市登大路町の奈良国立博物館は9日、第74回正倉院展の概要を発表した。初出陳8件を含む正倉院宝物59件を出陳する。会期は10月29日から11月14日まで。観覧には「前売日時指定券」の予約・発券が必要。当日券の販売はない。
「漆背金銀平脱八角鏡(しっぱいきんぎんへいだつのはっかくきょう)」は2009年以来の出陳。黒漆(うるし)が塗られた背面には、宝相華文や飛鳥、鳳凰などの文様が金、銀で華やかにあしらわれている。
大型の銀製の壺(つぼ)「銀壺(ぎんこ)」は称徳天皇が東大寺行幸(767年)の際、大仏に献納したと考えられる品。表面には馬に乗る人物がシカやヒツジ、イノシシなどを追う姿が刻線で描かれている。
名香として名高い香木「全浅香(ぜんせんこう)」や、大仏開眼会(752年)のために制作された「伎楽面力士」、空海以前の古式の密教法具「鉄三鈷(てつのさんこ)」なども公開される。
開館時間は午前9時~午後6時、金土日曜と祝日は同8時まで。前売日時指定券は9月26日午前10時から、ローソンチケットか公式サイトで販売する。
観覧料は一般2000円、高校・大学生1500円、小中学生500円。
問い合わせは、ハローダイヤル050(5542)8600。