大きく細密、昆虫の一刀彫 奈良県川上・「匠の聚」ギャラリーで松本さん作品展
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奈良県川上村東川の芸術文化施設「匠の聚(むら)」ギャラリーで、一刀彫作家・松本一平さん(46)の作品展「木でつくる昆虫の世界」が開かれている。小さな虫がゴージャスな変身を遂げ、静かに壁に張り付いている。8月30日まで。無料。
両腕で抱えるほどの大きさに巨大化して制作されたダンゴムシやフンコロガシ、クモなど昆虫モチーフの作品10点。昆虫の細密な造作を平ノミだけでリアルに彫り上げる圧倒的な技。真っ青なクワガタムシなど岩絵の具や金銀の箔(はく)を用いる彩色でアレンジを加えた。幼虫とサナギ、成虫のカブトムシシリーズ3点が最新作だ。
松本さんは奈良一刀彫の伝統技法を引き継ぎながら、現代的なセンスで新たな制作境地を開拓している作家。匠の聚にアトリエを構えており、同ギャラリーでの昆虫作品展は3年ぶり。幼い娘が持ち帰った図鑑で、マクロレンズでとらえたダンゴムシの写真を見たのが制作のきっかけ。「昆虫たちが大きくなったちょっと不思議な世界を味わってもらえれば」と話している。
午前10時~午後5時開場。水曜休み。問い合わせは、匠の聚、電話0746(53)2381。