【解説】新規に「目玉事業」なく - 奈良市予算案
4期目当選を果たした仲川市長が、今期初めて組んだ本格予算。ようやく開業の日を迎える児童相談所・一時保護所を含む「子どもセンター」や、民間委託で運営が開始される「新斎苑」(火葬場)がどんな滑り出しを見せるか注目される一方で、大半が国費などで賄われるコロナ対策を除いては、「新規事業」にこれといった目玉事業も見当たらず、市議会の一部からは早速、「ビジョンがない」「ありきたり」など厳しい評価も聞かれた。
近鉄大和西大寺駅前広場整備や子どもセンター建設等、大型事業が終わったとはいえ、扶助費など義務的経費の伸びは止まらず、財政規模は膨らんだ。さらに投資的経費には含まれない、老朽化が著しい環境清美工場の延命化対策や、損傷の見られる道路橋梁などの維持補修費も増額要因。設置した以上、もう後戻りはできない児相開所に伴う児童養護施設等措置経費、同じく4月開業の新斎苑の民間委託による管理経費なども今後は恒常的な出費要因となる。