国の名勝指定100年で月瀬梅林の記念碑除幕式

「月瀬梅林」(奈良市)の国の名勝指定100年を記念した碑の除幕式が13日、同市月ケ瀬長引の市月ケ瀬梅の資料館前で行われた。地元では梅林の保護・育成に取り組む「月ケ瀬梅渓保勝会」(窪田良蔵理事長)を中心に令和2年に「記念事業実行委員会」が発足。市などの補助金に加えて地元の個人や団体などから計約500万円が集まり、雪洞(ぼんぼり)設置なども進められた。
平成17年度に奈良市と合併した旧月ケ瀬村は古くから「梅の郷」として知られ、江戸時代には梅の実で作られるベニバナ染めの媒染剤・発色剤の「烏梅(うばい)」の生産で栄えた。明治以降、化学染料に押され烏梅の生産は衰退。梅林も存亡の危機に立ったが、名張川を挟んで広がる梅渓の美しさは多くの文人墨客に愛された。大正11年には「奈良公園」(奈良市)などと並んで国の名勝第1号となった。