お前の文章は面白くない。誰にも読まれな…
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お前の文章は面白くない。誰にも読まれない―。「新聞記者がネット記事をバズらせるために考えたこと」(集英社新書)を読書後、そう言われた気がした。
著者の斉藤友彦氏は共同通信でウェブ記事「47NEW」を担当。本書では新聞とデジタルの記事の違いや、読者の変化などを考察する。
新聞記事は重要な事を先に書く「逆三角形スタイル」や、同じ言葉は省略するなど簡潔に書くことを重視。本欄の筆者を含む新聞記者なら骨の髄まで染み付いた書き方だ。
限られた紙面の中で少しでも多くの情報を伝えるためだが、デジタルの読者にとっては読みにくい文章のようだ。そのため、読むのをやめてしまうという。
ニュースを知るために読む能動的な新聞と、ネットを通じて流れてくるニュースを読む受動的なデジタルの読者層の違いもある。さらに、たとえ短いものであっても、文章を読むこと自体に慣れていない若者も多いという。
報道が果たすべき役割は今も昔も変わらない。しかし、伝えるメディアや読者の変化により、スタイルを変える必要もあることを痛感した。(法)