17日の月曜日は「彼岸の入り」だったが…
17日の月曜日は「彼岸の入り」だったが、あす20日(春分の日)から週末にかけて、墓参りのラッシュになるはずだ。昨秋のお彼岸以来だから、墓掃除も「時間をかけて念入りに」という人が大半だろう。
気になるのは仏花の値段。通常でも、春と秋の彼岸とお盆の時期は割高になるが、諸物価高騰の折、“高値の花”となるのは避けられない。
一方で、最近は「墓じまい」が静かに進行している。昨秋の墓参りで、実際に隣の区画から墓石が消え、地面が黒いシートで覆われているのを目撃した。ご先祖さまが安らかであるように、と祈らざるをえなかった。
日本社会の大きな変化を受けて、生まれた土地で進学、就職、結婚、定年、そして老後―というパターンは、とっくに崩れている。両親が亡くなっても遠隔地に住む子や孫は、なかなか墓参りには行けないという現実がある。
そのため、先祖供養を今後どうするのかという、悩ましい選択を迫られることになる。お寺も檀家制度維持に苦悩しているという。
遠いふるさとが、さらに遠くなっていくような感じがして寂しさが募る。 (恵)